2017年05月11日

イボタ

 注文していた”イボタ”が届きました!
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 イボタは日本刀の研磨では主に仕上げ研磨で用いるもので、具体的には鎬地と棟を磨棒で擦って金属光沢を付ける際に、磨き棒の滑りを良くする為に使います。
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 一般的には写真左のように10グラムほどに小分けされて小売りされているものを右のように晒で包んでタンポ状にして打粉のように刀身に打って用います。
 では、イボタとは何かと言いますと”イボタの木”に寄生するカイガラムシが分泌する蝋分で、工業的にはこれを精製して蝋燭の原料にしたり、ふすまや箪笥抽斗の滑り剤に用います。
 当工房では上記のように御刀の鎬地や棟の磨きの際に使うほかに白鞘の艶出しや目釘作製にも使いますから欠かせないアイテムでもあります。
 この一袋で500グラム入りです。小分けされたものを購入するよりもはるかに格安ですから当工房のようにイボタを多用する仕事には助かりますね。
 日本刀研磨には砥石以外にもこんな脇役的な道具も使う事、今回のイボタ購入を機にちょっとご紹介の為に載せてみました。
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2016年12月30日

研ぎ舟製作

 2016年も残りわずかとなりました。
 28日に今年最後の御刀を無事に発送し、昨日からは研ぎ舟の製作をしておりました。
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 昨日材料の製材、今日が組み立てで、上の写真は枠組みに床材を張っているところです。
 
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 そして裏側はこのような感じです。特に排水溝のある角材には防水の為カシュー塗料を塗ったりしました。
 また表裏とも枠組みと床材の端にはシーリング剤を塗り隙間を塞いだりと完全防水にしました。
 
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 枠組みにも防水の為、油性ニスを塗り本日の作業を終えました。
 明日は裏側も油性ニスを塗り、排水溝両端に防水パテを使って完全防水を施してから排水パイプにホースを付けて床にはビニールクロスを張って完成の予定です。
 何とか年内ギリギリに間に合いそうです。

 、大工だった義父が10年以上前に作ってくれた研ぎ舟を現在まで愛用してきましたがここ数年は枠組みも狂い、床材は水の吸収と乾燥を繰り返したために歪んで、そして何よりも水漏れが酷くなってしまいました。
 その都度修理したりしてきましたがボチボチ寿命が来たようです。
 そのようなわけでこの暮れに来て研ぎ舟製作となりましたが、いやはや、当然ながら本職の大工さんみたいにはうまくいかず、また道具不足も当然あって、採寸を間違えてしまったり、削り過ぎて隙間ができてしまったりと悪戦苦闘しました
 私の地元の師匠は長年自然乾燥させた欅材を用いて寸分狂わぬ実に見事な研ぎ舟を自作し今現在も使っておられ私も憧れていますが、今後は今製作中の研ぎ舟を補修しながら使用するも、いつかは師匠のような欅製の立派な研ぎ舟を製作してみたいと思っている次第です。

 今回制作の研ぎ舟は1月2日の研磨から使用開始となります。


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2015年09月13日

鞘ノミが出来上がる

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 注文していた鞘ノミが出来上がってきました。
 今回の鞘ノミは鯉口用といいますか、ハバキ袋用のノミで刃幅サイズはいずれも7分(21mm)。
 右は極浅丸、中央が浅丸、そして左が丸です。
 通常のノミですと断面が台形で側面が尖るのが多いですが今回のは尖らせないで直角の側面にしてもらいました。なぜかと言いますと刃方棟方のキワを掻き入れる場合、側面が尖っていると食い込んでしまいがちですが尖らせずに直角にすることで食い込まずに掻き入れられるからです。
 鯉口で言いますと食い込んでしまうと刃方はまるで鬼の角みたいな形になってしまうわけでこれを防ぐのが目的です。
 刃の丸さの違いは例えば極浅丸は平造りの短刀や脇差のハバキ台尻に合うように、反対にアールが深い丸ノミは大和物など鎬が高い作りこみのハバキ用というわけです。
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 こんな微妙なアールの違いも完璧に作ってくれるのがこちら⇑小黒金物店です。
 当工房のすぐ近く、ほとんど隣組みたいなところにあります。
 最初に鞘ノミを注文させていただいたのが中学生の頃だったでしょうか。
 お小遣いを貯めてやっと一本作って貰ったのを覚えていますし、今日もノミを受け取りに行った際にそんな話からとなりました。
 小黒さんとの付き合いももう30年にもなるんですね。
 80の齢を過ぎてもなお現役で鍛冶職を続ける小黒さんに敬意を払い感謝しつつ、今日出来上がった鞘ノミも大事に使っていきたいと思っています。

 
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2012年07月25日

銀地金が来ました

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 本日、銀ハバキ用の純銀地金板材が来ました。
 これは新規に注文したものではなく、以前のハバキ製作時に出たヤスリがけの削り粉や切れ端を貯めておいたものを鋳直したものです。
 約1k弱の削り粉、切れ端等が10枚の純銀地金となって生まれ変わったわけです。
 写真一番上の袋入りのものは”笹吹き”と言いまして今回の余った分で約68グラムの純銀粒です。

 当工房に研磨をご依頼の御客様の多くの方が同時にハバキも御依頼下さいます。
 そして銀ハバキのご依頼も決して少なくありませんから常に材料はキープしておく必要もあるわけです。
 銀ハバキは銅ハバキに比べて加工もしやすく、御刀に大変優しいハバキとして最適な素材です。
 今後も研磨をご依頼のお客様でハバキの新調もお考えの折には是非当工房の銀ハバキも御検討いただけると幸いです。
 



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2011年11月25日

横掻小刀

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 今日はなにかと慌しい一日でした。
 午前中は里親に対する家庭訪問と言うことで管轄している東部児童相談所の里親支援課の方が来ました。
 法改正による施設に入っている子供の里親への委託の推進の事や我々里親登録をしている人の登録時との状況の変化がないか、今後の委託に対する気持ちの変化がないかという事の確認のようです。
 我が家は委託の話があればいつでも歓迎ですし、そのための状況も整っていることを伝えたりしました。それでも果たしていつ委託の話が来るか、こればかりは期待しても思うようにはいかないのが現状のようで何とももどかしい限りです。

 さて、写真は今日出来上がってきたばかりの鞘内部横書き用小刀です。
 一番左がいつも使っている小刀で、中央と右が左の小刀を忠実にコピーしていただいた今回出来上がってきたものです。
 一振りの刀の白鞘を中掻きする際に、どうしても途中で刃が重たく(切れ味が悪く)なってきます。
 その度に研いでいましたが予め同じ形の小刀を研いで準備しておき、刃が重たくなってきたら次の小刀に交換して作業を進めたいと以前から思っていましたので、これでかなり能率が向上するのではと思います。
 研ぎでもハバキでも同様ですが、道具の充実が同時に仕事に対すモチベーションの向上に繋がると言うのが私と当工房の基本概念です。
 一つの道具が充実すると別の道具への欲求もアップ!。
 ある意味、”道具道楽”かもしれませんがこれが職人と言うものだと自負しています。
 一生、自分の手先となって働いてくれる道具ですから経費云々なんて考えていられません。
 良い仕事をして御客様の御要望に応えたい、満足していただきたい気持ちがいつもあります。

 ”弘法筆を択ばず”と言いますが、私はかなり択びます。
 弘法ではないので弘法以上の”筆”をいつも求めています。
 そしてそんな筆となる道具との出会いが楽しみになっているこの頃です。

 
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2011年06月21日

バローベ

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 書きたい事は山ほどありますが考えあぐねているうちに大分ブログが御無沙汰になってしましました。
 そこで今日はハバキの製作をしましたのでその主道具であるバローベのヤスリをご紹介します。
 バローベとはスイスの彫金工具の一流メーカーで、世界中の彫金家に愛用されているメーカーです。
 ハバキ製作の際のヤスリは今まで国産を使っていましたが、ちょっと興味もあり、2ヶ月前にバローベヤスリを購入、ここ最近は専らこのヤスリを使っています。

 いやぁ、切れ味は確かに抜群です!.
 ”削る”というより”切り取る”という感覚ですね。
 うっかりしていると危うく削りすぎてしまうくらいです。
 時間も短縮できますし、かなり気に入っています。

 写真の二本は300ミリサイズですが、やや重たいので250ミリサイズでも良かったかなと思っていますが、近いうちに250ミリサイズも購入したいと思います。

 ハバキのヤスリって、研ぎで言えば砥石、白鞘で言えば鑿や鉋と匹敵する道具。
 やはり道具は大事だと今更ながらに思っております。


posted by togishi1 at 18:17| 道具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする